野菜生活

 マーシャルのタニタ食堂に来てみました。

 

 と言えるような、ヘルシーメニューが並ぶここは、

マジュロ中心街に位置するマジュロ・ホスピタルです。

 

正面玄関左にあるWellness Centerでは、

平日の朝と昼にお肉を使わない、塩分控えめの野菜中心メニューを食べることができます。

(おかわり自由)

 

きゅうり1本が3ドル、レタス1つが5ドルするマジュロで、

これだけの野菜を8ドルで食べられるランチは破格の値段です。

 

1ドルプラスで、フレッシュなココナッツジュースも一緒に飲むことができます。

 

○本日のメニュー○

 

ブラウンライス(玄米)、大根、ナス、玉ねぎ、人参の具だくさんスープ、

ブレッドフルーツ(パンノキ)のサラダ、大豆を使ったベジミートの野菜炒め、

コーンブレッド、フルーツ(オレンジ、リンゴ)

 

 

日本の援助で建設されたマジュロ病院で、米国人スタッフが考案したレシピを、

台湾政府の実験農場で作られた野菜を使って、マーシャル人が調理する・・・

糖尿病大国における、その名も”アンチ糖尿病”ランチ。

 

外国につながる人の利用が多く目立ちますが、

女性の3人に1人、男性の4人に1人が糖尿病と言われているマーシャル人で

賑わう食堂になったらいいな。と願う、とある日のランチでした。 

 

shiori

ジャルートの特産品”アメダマ”

マジュロから飛行機で40分のジャルート環礁より、

特産品”アメダマ”のお土産をいただきました。

 

ずっしりと重く、ほんのりと甘い香り漂うこのネックレスの名前が

ココナッツの樹液を醗酵させた”ジャカロー”と、地面に落ちて茶色くなった”ワイニー”で作る”アメダマ”です。

 

(ココナッツについて、詳しくは「ココナッツとマーシャル文化」をご覧ください。

https://mjcc.biz/wordpress/?tag=%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%84

 

 

 

 

 

日本統治時代、ジャルート環礁には南洋庁のヤルート支庁がありました。 

 

 

「暑いのに、ブーブー(マーシャル語でおばあちゃん)は温かいお湯をバスタブに張っていつもお風呂に入っていたよ。

チョコレート(マーシャル語で森永のミルクキャラメル)を「キャラメル」と日本人みたいに発音してたし、

寝る前には日本語の歌をよく歌ってくれた。」

 

と、ジャルート出身の祖母をもつ同僚の話は、当時どんな暮らしがあったのか、想像を掻き立てます。

 

 

“アメダマ”を作るのに必要な”ジャカロー”は、チョーユ(醤油)に並ぶ万能調味料です。

 

お鍋の中で色が変わるまで熱するとハチミツ色になり、ご飯にかけて食べたり、

パンケーキのシロップとして使います。

 

常温保存するとアルコールになります。

離島で飲酒は禁止されているため、飲みたい方はジャカローアルコールを嗜みましょう。

 

常温ジャカローに緑または赤ピーマンを2晩漬け込むと、酢に変わります。
チャチミ(刺身)と一緒に食べるのがエンマンターター(マーシャル語で最高!)だそうです。

 

フレッシュなジャカローは、色と味が似ていることから、CALPICO(米国で販売されている「カルピス」の名称)と間違えられることも。

 

 

 

ネックレスは男性も兼用です。

 

 

 くるっと二重にすれば、ブレスレットにもなります。

 

頭のサイズに合わせて、冠にもなります。

 

 

 

 

 

ポン・デ・リングには、なりませんでした。。。

 

shiori

 

 

マーシャルのドル紙幣


(毎週木曜日発行 ”Marshall Islands Journal” 6/29/2012 2面記事)

 

先日、お会計時に「これ偽札じゃないよね?」とお客様から確認を受けました。

 

あるお店の売上の中に、偽札が混入していたようです。

 

「あのお店でチェックマーカーを売ってるよ!」と、
教えていただいた店舗に早速行ってみると、すでに最後の一本。

 

ここ数日のあいだに買占めがあり、ハワイへ追加購入の予約をしたけれど、
店頭に並ぶのは3週間後になると答えたレジのお姉さんも驚きを隠せない様子。

 

スーパーのレジでも、店内のライトに紙幣をかざして、キャッシャーが偽札かどうか見分ける姿が見られるなど、
警戒という二文字がそぐわないマジュロで、いま珍しい光景が見られます。

 

この国の紙幣はドルです。

しかし、ただのドルを想像してはなりません。

 

多少の破れは至って問題ありません。

赤いスタンプでURLが記載された広告紙幣もあります。

ずらりと書かれたサイン入り1ドル。

メモ代わりに使われたのか、メモリアル紙幣なのか、これぞ偽札なのか?

疑問が尽きません。

 

多くの紙幣は湿っているため、数えるのに一苦労です。

脇の下やあんなところ、こんなところがお財布になっているからです。

 

この日は、離島からボートに乗ってやってきたお客様が
束ねた1ドル紙幣でお買い物をされました。

 

 

びちょびちょに濡れた紙幣を乾かすのも仕事です。

 

本物の偽札は、どんな姿でマジュロ内を駆け巡っているのでしょうか。

 

shiori

 

Jambo Arts Exhibition


先週18日と19日の二日間、RREホテルの集会所”BOKANAKE”で
Jambo Arts Exhibitionが開催されました。

 

年に二度、マーシャル在住のアーティスト作品が一度に見れる貴重な機会です。

 

Jamboはマーシャル語で「チャンポ」と発音し、日本語の「散歩」が語源です。
散歩のほかに、ヨットや船での航海、車でのドライブも意味します。

 

今回のテーマは、”how do you love?”

絵画、彫刻、アクセサリー、リサイクルクラフトなど、出展作品はさまざまです。

 

アーティストの多くは職業作家ではなく、教師や会社員として勤める傍ら、創作活動を行っています。
会場中央にはJunior Jamboのコーナーが開設され、小中学生による作品も多く展示されていました。

 

5歳の息子がビーズをつなげて作ったネックレスを販売する、大学教員のお母さん。

海に囲まれた環境では、貝殻も身近な材料のひとつです。

巻貝に色付けされた色とりどりの花。

紫の細長いパイプウニ(サンゴがある場所で生息)のとげ、瓶の破片、ロープも芸術作品に様変わり。

運転中よく遭遇する豚がパンダナスの実を食べている、マーシャルならではのファンタジックな画も。

古着をリサイクルしてバックや小物を作るフィリピン出身のアーティスト。

古ジーンズを再利用して作られるバックは大人気です。

 

気に入った作品は購入することもできます。

 

今回購入した作品はこちら。

プラスチックをキャンドルで炙って色づけされた、花びら形のネックレス。

携帯電話で通話する際に必要なcell cardが、お洒落なピアスに大変身!

アミモノと、マーシャルの地図柄の二種類を購入しました。

 

次回開催は、半年後の11月です。

 

今度は私もアーティストの一人として、エコアンダリヤで編んだアミモノバッグを
展示することになりそうです。

shiori

33回目の憲法記念日

5月1日メーデーは、数少ないマーシャルの祝日でした。

 

別名「マジュロ・デイ」 「ケーメン」(1歳の誕生日を祝うこと)と呼び、
10月26日の独立記念日よりも盛大に、マーシャル国家の誕生を祝う大切な一日です。

 

今年で33回目の憲法記念日を迎えた首都マジュロでは、
中心街のDelapに朝から晩まで多くの人が集まりました。

 

雨が降りしきる中でも決行された午前中のパレード。
参加した友人から「一度は見ておいたほうがいい」と連絡を受け、
真っ青な空が顔を覗かせた午後、ドライブがてら中心街へ行ってみました。

 

交通規制のため迂回の表示があり、普段は使わない裏道を通って
国会議事堂前に出ると、駐車スペースから溢れる車と人の数に圧倒されました。

 

何が始まるのかと見物人に話しかけてみると、もうすぐ午後のパレードが始まるとのこと。
午前で終了していたと思っていたので、ラッキーです。

 

クラクションの音が鳴り響く方角に向かって、一斉に走り始めた人々を追いかけてみます。

ラジオから流れる音楽とともに、次々と登場する山車。

 

伝統的な衣装で着飾り、ココナッツの葉で編まれたアミモノマット「ジャキ」を手に踊る従業員。

台湾の漁業会社は釣竿デコレーションで観客の目を奪います。

貝殻と棒で作られた海図「スティック・チャート」や伝統カヌーの模型を乗せて走る観光局。
スタッフはパンダナスの葉で作られた帽子をかぶっています。

空き缶の飾りつけでリサイクルのアピールをする産業廃棄物会社。

太平洋で一番の速さを誇るマーシャルの伝統カヌーも参列です。

運転手はクラクションを鳴らしながらリズムを刻み、荷台の上では歌と踊りのパフォーマンスが繰り広げられていました。

 

いわゆる娯楽施設やデーマパークのないマーシャルですが、
しばしディズニーランドのパレードを眺めているような錯覚を覚えました。

 

 

翌日、前に座った同僚のTシャツには…

“May Day 33rd Anniversary”の文字が書かれていました。

前のデザインは”Marshall Islands”…?

ではなく、彼女の苗字でした。

家族仕様ですね。

 

このTシャツを着て、退社後彼女が向かった先はヤキュウの試合会場でした。

 

憲法記念日を祝うスポーツイベントとして、ヤキュウはバスケットボールと並ぶメインスポーツです。
(日本語がマーシャル語になったヤキュウですが、実際には日本でいうソフトボールのことを指します)

 

主に10代が参加するバスケットボールに対し、ヤキュウは参加者の年齢層が幅広く、
観客数も多いのが特徴です。
優勝した環礁チームには、3000ドルの賞金が内務省から送られます。

 

両親の出身環礁によって、自分の参加するチームは決まりますが、
家族概念が広いマーシャルでは、複数の環礁につながりがあります。

 

そのため、自分の所属チームが負けてしまっても、対戦した相手の環礁チーム代表として
翌日はバッターに立っている、ということが普通に起こり得ます。
このマーシャルルールによって、ホームランバッターとして有名な同僚は
準決勝まで複数のチーム代表として参戦していました。

(そもそも、勝ち負けを表すマーシャル語はなく、英語のwin→wiin, lose→luujがマーシャル語として現在使われています)

 

マジュロ中が賑わったメーデーから、早11日が過ぎました。

 

国会議事堂のデコレーションがいつ片付けられてしまうのか、

毎朝確認するのが日課になりそうです。

 

OKAWA