フグの話

あなたはマーシャル人と雑談する場合、何を話しますか?
私の経験では食べ物の話が一番盛り上がる気がします。

 

日本に招待されたあるマーシャル人が、フグ料理に招待されたけども「これは毒がある魚だ!」と怖がって食べませんでした。食べると5分で死ぬそうです。なのでその人は味噌汁だけ飲んでいたそうです。

 

ふぐのおいしさを知っている日本人からするともったいない話ですが、毒の恐ろしさをよくわかってるマーシャル人らしい反応かと思います。

 

この話をマーシャル人従業員に話したところ、「その魚知ってる!」と盛り上がりました。やっぱりマーシャルではフグは食べないそうです。ちなみにマーシャル語では「ルワッ(プ)」といいます。

 

↑「ルワッ(プ)」という単語を教えてもらうために描いた絵。

 

さらに同じ話をキリバス系マーシャル人に話したところ、やはりフグは一般的には食べないが、食べ方を知っている部族がいて、その人たちは食べるそうです。うちの従業員の旦那(キリバス人)はその部族に友達がいて、食べさせてもらったことがあるらしく、すごくおいしかったそうです。

 

というわけで、マーシャル人と雑談する機会があったら是非食べ物の話題に挑戦してみてください。いろいろ教えてくれます。

 

SATO

ヤシガニをいただきました。

先日、知り合いが離島からヤシガニをもってきてくれました。

 

ヤシガニはヤドカリの仲間で、首都マジュロではすでにとりつくされてしまったらしく、ほとんど見かけることはありません。マーシャル人に聞いても「マジュロにはもういない」という答えが返ってきます。

 

お店の裏に置いてあるというので見に行くと、逃げられないようヒモにつながれて並んでいました。約10匹。壮観です。

 

距離を置いて並んでいるのは、近づくとすぐお互いにケンカするためです。
早速2匹いただいて帰りました。

 

ヤシガニの調理方法はいたって簡単で、鍋にぶち込んで茹でるだけです。ただ水から茹でないといけないそうで、ヤシガニは力が強いのでフタを押さえていないと大変なことになります。

 

すっかりゆであがったヤシガニさん。

 

ヤシガニの殻は歯が欠けそうなほど固いので、金槌で引っ叩いて割ります。
ヤシガニの身は蟹を油っこくしたような味なので、さっぱりしたポン酢で食べるのがおすすめです。ちなみにヤシガニは雑食なので、エサによって味が変わるようです。本当にココナッツばかり食べたヤシガニの身はココナッツの香りがします。

 

機会があったら是非食べてみてください。

 

SATO

マーシャル人の誕生日

マーシャルでも日本と同様に誕生日を祝う習慣があります。
ただ祝い方はだいぶ異なります。
一般的かどうかはわかりませんがその一部をご紹介します。
 
 
まずケーキを持ってきます。
そして集まった人たちが歌いながら、祝われる人とかわるがわる握手していきます。
握手するときにアミモノをくれたり1ドル紙幣を握らせてくれたりします。
 
 
祝われる人は食べ物を用意してもてなします。
日本人からすると違和感がありますが、なぜか誕生日を迎えた人がもてなします。
マーシャル人の誕生日祝いの特長はこの辺りにあるようです。
 
 
私が経験したのはここまでで、ここから先はマーシャル人スタッフから聞いた話になります。
 
 
彼女の場合も途中までは私が知っているのと同じですが、そこからさらにマーシャルらしさ?が加速します。なぜかマーシャル人は祝われる人の家のモノを何かしら(笑顔で)持って帰ってしまうのです。
 
 
彼女の場合はまず、自宅の冷蔵庫に入っていた、お正月用に買ってあったハム(2kg)。3つあったうちの2つを持っていかれました。
 
 
部屋に飾ってあったアミモノ。
これも持っていかれました。
 
 
自宅で作っていた魚の干物。
これもその場で食べられてしまいました。
 
 
さらには家の電球。これは充電池付きで停電の時にも使える特別な電球だったそうですが、トイレの電球以外は全て外されて持っていかれました。
 
 
途中で止めれば良さそうなものですが、当人は「マーシャル式のやり方はノーグッド」と言いながらも笑っていたので、そんなものなのでしょう。家にあったキーボードを持っていかれたという話も聞いたことがあるので、彼女の場合はまだましなのかもしれません。
 
 
というわけで、マーシャル式誕生日の祝い方
の紹介でした。
 
 
SATO

マーシャル人のファミリーネームに残る日本

先日、某レセプションに招待されて出席してきました。その席で、マーシャルの財務大臣が日本とマーシャルとの関係について触れ、マーシャル人にとって、いかに日本が身近な存在かという例えに、自分は「ワセ」、奥さんの旧姓は「ウエノ」、いとこは「カミナガ」だと、日系のファミリーネームについて話をしていました。
マーシャル諸島は1914年から約30年間(1920年からは国際連盟の委任統治)、日本によって統治されていました。1944年にアメリカ軍が占領するまでの間、マーシャル諸島を含む南洋群島は日本の一部だったわけです。南洋群島全体で約9万人の日本人が移り住んでいたといわれています。当時南洋庁が置かれたジャルート環礁は、日本からの距離が遠かったため日本からの移住者は少なかったといわれていますが、それでも680人と記録されています。現在マーシャルにいる日本人が50人前後ですから、それと比べるとかなりの人数ですね。またこれとは別に約2万人の日本兵が駐在していました。このように当時滞在していた日本人との関係の名残が、日系マーシャル人のファミリーネームに残っているのですね。
ちなみに前述の他に「ミズタニ」「ナカムラ」「サトウ」「カネコ」「ヤマムラ」「ミヤゾエ」「マタヨシ」等々、さらには「モモタロー」「キンタロー」「チュータロー」等のファミリーネームがあります。同じ苗字の方はマーシャルにいらした際に名乗り出てみてください。マーシャル人から歓迎されること間違いなしです。

SATO

保存食Jankwun「ジャヌクゥン」

MJCCではたまにローカルフードも買い取ります。バナナのジャムや、シオカラという塩辛い貝の漬物、そして今回はJankwun(ジャヌクゥン)という保存食を買ってみました。

常温で約1年も持つくらいの保存食だそうで、作り方は下の写真のパンダナスという果実?をココナッツジュースで煮詰めて煮詰めて天日干し、保存に適する固さになるまで天日干し、を繰り返すとても時間のかかる保存食です。

昔はショルダーバッグのように紐を肩にかけて小腹が空いたらちぎって食べるという画期的なスタイルだったそうです。

貴重な食べ物なようで、入手したことを知った現地従業員がちょっとザワついたので、気になり一つ買って食べてみました。

まず外側の葉っぱを取り(取ったら小さな虫が数匹出てきましたが、現地従業員がすぐそばで見ているので騒げません(笑))、本来はナイフで切るそうですが、持っていたお箸で割ってみます。(割ったら小さい幼虫がでてきましたがやはり騒げません…)

ちょうどきな粉棒くらいの固さの食感で、甘い和菓子のような、ほのかにパンダナスの風味がします…パンダナスを食べたことがない方にはさっぱり伝わりませんが、なかなか美味しい食べ物でした。これを溶かしてジュースにすることもあるそうです。

残りは従業員におすそ分けしました!

 

 

あかね