MJCC新製品

今週は久しぶりにお店のお話

先日、お店の前に見慣れない四角い箱の売り物が登場。


製作したのはMJCCの工場長
工場長というくらいなので、普段はコンクリートブロックの製造を指揮しているのですが、 最近ブロック製造機の調子がわるく、使えない日があったので
その合間をぬって、この四角い箱を作ったとの事。

これはなんなのか、中を開けてみると・・・

何と、手作りオーブンです。
中の底板にはこんな感じの穴が開いていて、

下にはこんな隙間があります。

この隙間に

こんな感じでプロパンコンロを入れオーブンとして使うのだそうで
マジュロでは最近少なくなっているものの
離島ではまだまだ使う人が多くいるとの事で、
マーシャルではそんなに珍しくない調理器具との事。

確かに、オーブンの構造って単純に言えばこういうことだよなぁと
感心してしまいました。生活の知恵ですね。

自作製品を前に満足げな工場長

で、そのあと色々検索してたらダンボールオーブンなるものがある事を発見。
今度のキャンプでは是非試してみたい一品です。

https://diyers.co.jp/articles/oven_a

MURAI

クラムファーム

こんにちは。
今週はこの狭いマジュロで新たなおもしろスポットを見つけたのでご報告です。

そのスポットとはこちら↓

何だとおもいますか?
実は貝の養殖場なのです。
英語で言うと”Clam Farm” 先々週の新聞にこの養殖場の記事が出ていて、
「へぇ、そんなところがあるんだぁ~」程度に思っていたのですが、
その翌週、その記事の写真に写っていたサーファー風のお兄ちゃんが偶然お店に買い物に来ていたので
「新聞見たよ~」と声をかけたところ、話が盛り上がり見学させてもらう運びとなりました。

「ロングアイランド小の裏側」という情報だけを頼りに出かけていくと案の定場所がわからず、 小学校の木陰で涼んでいるおばちゃんに聞き込み。
「ロングアイランド小学校の裏側よ」という同じ情報しか手に入らなかったので、昼休みで子供がたくさんの小学校に侵入。

怪しまれないように「ヤッコエ、ヤッコエ‼」と怪しげな笑顔を振りまきながら
小学校を通り抜けて外海側に行くと怪しげな施設が。

案内してくれたのはSteveという写真の右下のお兄ちゃん
日本人がイメージするサーファーを絵に描いたようなニュージーランド人。
こんなところに寝泊まりして、貝を養殖したりダイビングしたりして生活してるとの事。いやぁ、世の中色々な人生を送っている人がいるものです。

で、彼が養殖している貝はこんな感じ

どうです?
私は”Clam Farm”と聞いて、あさりの養殖場をイメージしてしまい、
あわよくば美味しいあさりを分けてもらおうとよからぬ事を考えていたのですが、完全に裏切られました。
「食用じゃない・・・」

彼はこんなカラフルな貝を養殖してアメリカの水族館に輸出をしているとの事。


他にも、

こんな”Soft Coral”と呼ばれる軟らかいサンゴの一種を育てたりしているようです。

養殖の素となる貝(彼は”Parents”と呼んでいました。ちなみに小さいのは”Baby”です。たしかに・・・)は色々な離島に行って採ってくるのだとか。
来週はビキニに行くと言っていました。

養殖の過程はこんな感じ

こんな大きさのParentsから


こんな容器で繁殖させて
こんな大きさの小さなBabyになります。(黒い点がBaby)
さらに成長するとこの位になります。

貝好きの私がマーシャルで新鮮な食用貝を気軽に手に入れるという夢は打ち砕かれましたが、
マーシャルの新たな一面が見れて楽しい体験となりました。

一般に公開をしているわけでは無いようですが、
観光に来られた際、ご興味がございましたらご紹介いたします。

MURAI

アルノ環礁に行ってきました。

今週はOCIT主催のイベントレポートです。
OCIT(Office of Commerce Investment and Turism)は日本だと観光庁のようなイメージでしょうか。
以前我々が参加したNight Marketを主催したり、Sashimi Competitionを開催したりと
観光振興の為のイベントに力を入れている行政機関です。

今回、そのOCITが主催する離島振興イベント
“REAR LAPLAP MARKET ARNO”に参加してきました。

“REAR”というのはマーシャル語で”Far east”を意味するとの事。日本でいう”極東”という解釈よりは、マジュロの東側の遠い場所という意味合いの方がしっくりきます。

実際ARNO(アルノ)環礁はマジュロから距離にして約50kmほど離れた場所にあり、
飛行機で行くほどの距離ではないですが、気軽に行ける距離でもありません。
行くためにはどうしても船で内海(ラグーン)から外洋に出て行く必要があります。

以前の旅行記はこちら↓

この外洋に出るという行為が言葉でいうのは簡単なのですが意外とハードルが高いのです。
なにせこのマーシャルにはそんなに大きな客船はありませんからどうしてもボートで行くことになります。

ボートと言っても加山雄三的ないわゆるプレジャーボートから
ただ人が乗れるだけの漁船的なボート(前回旅行記参照)まで様々です。
で、たいていマーシャルの人が乗ってるのは後者が多い為、
外洋に出ると思いっきり揺れて船にしがみつく感じになります。
なので、普段ボートに乗り慣れていない我々にはにはちょっと行くのにハードルが高い場所なのです。

そんなこんなで誘われても家族連れではなかなか行きづらいアルノなのですが、
ただ、今回はOCIT主催のイベントでボートは彼らの手配という事もあり、
普段より良い船に乗れるのではないかという期待も込めて思い切って子連れで参加してきました。

当日用意されていたボートがこちら

わかりづらいのですが、奥側の白い大きなプレジャーボートです。

おお、予想的中。やっぱり快適そうなのを用意してくれてました。
案の定このボートが快適で普段のボートと違ってあまり揺れも感じず
快適な船旅となりました。しかも中にはシートもあるのでちょっと酔っても横になれます。
こんなボートがチャーターできれば、マーシャル初心者でも離島滞在ツアー可能です。

そんなこんなでマジュロを9時に出発して11時半頃アルノのMaeleという行くに到着。
迎えてくれたのは地元の人達とミスマーシャルアイランドのビルマさん
ウェルカムドリンクにはココナッツジュースが振舞われました。

会場には地元の人の手作りマーケットが用意されています。
特に目を引いたのがこの小屋(テント?)
島にある木とココナッツの木の葉(キメジ)で作られています。
何もない離島だからこそその場にある物で作ろうとする
島国ならではの生活の知恵がまだまだ根付いている場所だと感じました。

そんな会場を見学しているうちにイベントがスタート。
偉い方々の挨拶に始まり、マーケットでのショッピング、
地元の人々によるファッションショーやダンス披露等
盛りだくさんの内容でした。

地元の人が作ったドレスのファッションショー

特に印象に残ったのがシャーク見学ツアー
イベントの最中に司会から「今からシャークを見に行きますので外海側に集合してください」とのアナウンス
ん?シャーク?確かにアルノはサメが多いというのは聞いた事あるけど、そんな簡単に見れるの?
ともやもやした気持ちを持ちながら外洋側へ。
「こちらからシャークが見れます。さあどうぞ!!」と紹介され見学するも、
待てども待てどもサメは現れず約10分経過、

特に変化のない海をひたすら眺めるイベント

皆がざわつき始めた頃
「現れたらまたお知らせします」とのアナウンスのもと全員元の場所へ。
う~ん、この辺のイベントの雑さがマーシャル流。
まあ、人工的に用意してるものを見せられるより自然な感じで私は好きですが。

そんなこんなで意外とあっという間に時間が過ぎて帰りの時間。


昼間のさんさんと降り注ぐ海もキレイですが、
陽が落ちかけたこんな雰囲気も素敵です。

お土産の品々。アミモノバックは購入し、微力ながら地元に貢献してまいりました。

お土産にヤシの実の葉で作ったバスケットに入れた焼きバナナと焼きパンの実、ロブスターを頂き
大満足の一日でした。

場所柄頻繁に行えるイベントではないと思いますが、
離島の生活に触れられる楽しいイベントなので今後も定期的に開催して欲しいと思う内容でした。
日本では中々味わう事が出来ないRear Lap Lapの雰囲気を味わうイベント。
観光でいらしたお客様にもタイミングが合えば是非参加していただきたいイベントです。

MURAI

気候変動と健康のアートセミナー

マーシャルの学校は6月から8月上旬までが夏休み。

この夏休み期間中には、現地NGOや政府が主催する学生対象のサマークスールやセミナー、キャンプがいくつか開催されていました。

7月下旬の2週間、高校生を対象とした「気候変動と健康のアートセミナー」がありました。主催は、気候変動問題に取り組む、現地NPO団体ジョージクム。

アートセミナーだけあって、ポスターもデザイン性があってオシャレ。

参加者の高校生たちは、最初の3日間は省庁の専門家からマーシャル文化を良く知るおじいさん・おばあさんまで、何人もの大人たちから貴重な話を聞きました。

 

マーシャルの人が肌で感じている気候変動の影響とは…

・パンダナス(タコの木)の実の収穫時期がこれまでは11月ー12月が収穫シーズンだったのに、数年前から9月ー10月になっている。こんなことは以前はなかった。熟した実も以前は1週間程度は大丈夫だったのに、今はすぐ傷んでしまうから早く収穫しないといけない。

・昔はサンゴ礁がたくさんあった場所が、今はサンゴがすっかりなくなっていて驚いている。

・ローラビーチで引き潮の時だけ現れるロンロン島へ向かう砂地は、昔は陸地だった。家の裏の海岸線も、自分が子供の頃より家に近づいている。

・離島では畑が減っている。気候変動の影響で土の質が落ちていること、離島では乾期が多くなり農業をするのに水が足りないこと、西洋文化の流入が原因。

・アミモノに使うパンダナスの葉が変質してきている。葉が以前は滑らかだったのに、最近はガサガサになった。塩水が影響しているのではないか。

・温暖化が進むと海水の温度も上昇する。すると、貝やサンゴがまず影響を受け、それの側にくる魚もいなくなる。またシガデラ毒を持つ魚も増えて、食用の魚が減ってしまう。

・2019年から2020年にかけてデング熱の大流行があり、なかなか収束しなかった。異常気象によりその年のマジュロは乾期がなく1年中雨期のように雨が降っていたので、蚊の発生も抑えられなかった。

 

話を聞いて学んだあと学生たちは、絵画・作詞作曲・アミモノ作り、の中から自分の興味がある分野を選んで、先生の元で作品を完成させました。

セミナー最終日の夜は、作品の発表会。

絵を選択した学生の作品

絵とアミモノの展示

作詞作曲した歌を発表した二人。高校生と思えないくらい上手でした。

 

マーシャルは海抜が低いため、地球温暖化による海面上昇が起こると、その影響を真っ先に受けてしまう、脆弱な環境にある国です。海面が91cm上昇すると、マジュロの大部分の地域が浸水し、住めなくなるというハワイ大学の研究結果も出ています。また米国地質調査所は、2035年までにマーシャル諸島の一部が水没すると予測しています。

自分たちの島の未来のために今どうしたらいいのか、マーシャルの若い世代は学んでいました。

 

mika

 

 

卒業式

マーシャルの卒業式シーズンは、毎年5月下旬頃。

昨年はコロナの影響で、国内の感染者はまだ出ていなかったにもかかわらず、政府から感染防止のためすべての学校は卒業式を行わないようにという発表が出されました。そのため昨年は卒業式ができず、かわいそうだった卒業生たちもいました。

今年は例年どおりに無事行われました!

マーシャルのコロナ感染者は現在ゼロで、予防接種も進んでいます。今年は何の制限もなく、各学校では卒業式に家族や親戚が大勢集まり、盛大に行われました。

 

高校の卒業式

 

式のあと、卒業生は集まった家族・友人・親戚からレイをかけてお祝いしてもらいます。

卒業生の前にはレイをかけるために列ができます。

今年はNTA(電話局)による卒業式のライブ配信も、盛んにおこなわれていました。卒業式に来られない人やアメリカ在住のマーシャル人も、FacebookやYouTubeの動画で、その様子を見ることができました。

こちらがYouTubeで公開されている、今年のマーシャル諸島短期大学の卒業式です。全部で4時間あります。時おり激しい雨が降る中、デラップパークで行われました。マーシャルの国の人口は約5万人なのに、この動画の再生回数が既に1万4千回を超えているのはすごいですね!親族の卒業式はみんなにとって、一大イベントなのです。

 

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!
Jeraaṃṃan ñan aolep graduates 2021!

 

mika