日本遺族会の皆さんと一緒にクワジェリン(サント島)へ行ってきました!

前回の続きです。

ロイ=ナムル島での慰霊追悼式を終えた一行は、案内人の「帰りの飛行機までまだ時間があるから、日本軍の発電所がある島に行かないか?」という言葉に誘われて、サント島に行くことになりました。
正式な名前はEninbur島ですが、ロイから数えて一島、二島、三島めなので「サントー」と日本人が呼んだのをマーシャル人もそのまま使って定着したそうです。
確かに今までも「サントから来た」というお客さんに会ったことがあったので、そんな由来があったのか!と納得です。

船着場。

船着場についたらすごく良い天気でした。

一島、二島、サント!

船が出発するとすぐにサントが見えてきます。
1島2島、サントです。

サント島。

サントに上陸するとすぐに発電所が見えます。
というか狭い島なので島のどこからでも見えます。

島で一番大きい建物。
裏側。
中は住民の通路になってました。

当時の貯水槽は手を加えて現在でも使われていました。

当時の貯水槽に屋根を付けて再利用。

ロイ島をアメリカ軍が攻撃した際、ほとんどの建物を壊したにもかかわらず電気だけはついていたので、どうなってるのか?と不思議に思い調べるまで、サントに発電所があることがわからなかったそうです。

その後ロイに船で戻り、ロイから飛行機でクワジェリン島に戻りました。
今回も、さらになかなか行けないところに行けたので、良い経験になりました。

SATO

日本遺族会の皆さんと一緒にクワジェリン(ロイ島)へ行ってきました!

去る三月、日本遺族会慰霊団の皆さんと一緒に、クワジェリンへ行ってきました。
日本遺族会は、戦没者遺族の全国組織として創設された財団法人で、戦没者の慰霊をはじめとして、さまざまな事業を行っています。今回お手伝いさせていただいたのは、平成30年度のマーシャル・ギルバート諸島における慰霊友好親善事業でした。

Kwajelein環礁。Google Earthより。


今回訪れたクワジェリン環礁はマーシャル諸島共和国内の環礁の一つで、世界最大の環礁です。マーシャル全体のちょうど真ん中辺にあります。

エア・マーシャルから見たクワジェリン島


上空から見たクワジェリン環礁のクワジェリン島。環礁内の南端になります。
この島は米軍基地として使用されているので、一般人は入ることができません。
慰霊団の際は特別な許可をもらっているので訪問・滞在することができます。

おみやげTシャツ。どれもサイズが大きい。


基地内の写真撮影は原則禁止、基本的には担当者と一緒に行動します。
一部自由に行動できるエリアの中にはダウンタウンと呼ばれる区画があり、お店が数軒あります。そしてなんと、サブウェイとバーガーキングもあります。マーシャルの首都マジュロにもないのに!上の写真はお土産屋さんに並んでいたTシャツです。


Roi-Namur島。Google Earthより。

今回のは遺族の方より熱望されていたロイ・ナムル島へ行くことができました。
ロイ・ナムル島はクワジェリン環礁の北端に位置する島で、当時の激戦地の一つです。多くの方がこの地で亡くなっていますが、現在も米軍基地があるため、訪問することはなかなか難しく、今回は幸運にも飛行機の席を確保できたので、訪問することができました。

日本軍指揮所跡。

上の写真はロイ島に残る日本軍の指揮所です。戦争直後の写真は下記URL(外部サイト)で見ることができます。比べてみると当時の何もなくなった状況がよくわかります。

外部サイト:world war photos

対空砲。
格納庫。
中は鉄筋がむき出しになっています。

対空砲や格納庫も、そのまま残っていました。

日本人墓地。

その後、強風吹き荒ぶ中で日本人墓地で慰霊祭を執り行いました。
ご遺族の方もホッとした表情をされてました。

さて、下の写真はロイ島で見つけた看板です。

通行前に飛行機に注意!

ロイ島は島幅いっぱいに滑走路があるので、その端の道路を通る車や自転車は、飛行機の離発着がないことを確認してから通らないといけません。何度かここを通りましたが、他の車もちゃんと止まって確認してから通行してました。おもしろいですね。

次回は慰霊団で訪問したクワジェリンの話が続きます。
合言葉は、一島、二島、サント島!

SATO

また遺骨収集でウォッジェ環礁に行ってきました!

昨年11月に遺骨収集推進協会さんのウォッジェ環礁での調査のお手伝いをさせていただきましたが、今回は本格的に発掘されるということで、再びウォッジェ環礁へ同行させていただきました。
現地では毎日発掘作業に終始され、そのおかげで少ない日数の中で48柱のご遺骨を回収し、日本に持ち帰ることができました。

前回はなかったエア・マーシャルの電気自動車。

れで飛行機まで乗せて行ってくれるので、雨が降っても大丈夫!

ウォッジェ環礁ウォッジェ島。

前回と違い、今回はなんと滑走路が舗装されていました。

舗装された滑走路に無事到着。

実は工事が終わったばかりで、使用許可が下りたのは私たちのフライトの前日でした。

いつも鮮やかな内海。

ウォッジェには砂浜もたくさんあります。

発掘作業現場。日陰がほとんどないので過酷な作業となります。

最大で40名近くの人たちに手伝ってもらいました。

ご遺体と一緒に発掘された古銭。

大正十一年と昭和三年と書いてあります。

大きい方が十銭白銅貨、小さい方が五銭白銅貨だと思います。

発掘現場近くに残っている巨大なタンク。

現在は倉庫として使われている防空壕。

夕飯はほとんどローカルフードをいただきました。

美味しかったです。

ウォッジェでの発掘は今後も続けられる予定です。

SATO

ビキニ環礁でのダイビング

ビキニ島のビーチ

マーシャル諸島で最も有名な場所、おそらくそれはビキニ環礁です。
MJCCへの問い合わせでも、
「ビキニ環礁でダイビングできますか?」
とよく聞かれます。
ですが、私たちの回答はいつも
「できなくはないです」
という歯切れの悪い形となります。
その辺の事情といいますか、現在のビキニについてご紹介します。

水着の名前にも残るビキニ環礁はマーシャル諸島共和国の環礁の一つで、1946年に第二次大戦後最初に核実験が行われた環礁です。その後1958年まで合計23回の核実験が実施されました。核実験の標的にされた戦艦「長門」や空母「サラトガ」など、多くの艦艇が今でも環礁内に沈んでいます。
核実験による残留放射能は今でも土壌から検出され、1998年の国際原子力機関(IAEA)の報告書では、ビキニ島で得られる食料を摂ると、年間15mSvに達すると推定され、「永住には適さない」と結論付けられています。

ちなみに私がテレビ局の取材で同行した際は、あちこちで線量計で測りましたがほとんど検出されませんでした。
センシティブな問題なので適当なことは言えませんが、短期間の訪問に関しては、残留放射能はあまり問題にならないといえるでしょう。

ではビキニ訪問への障害は何かといいますと、交通手段がほとんどないことが挙げられます。

実はビキニは首都のマジュロからかなり離れたところにあります。マジュロからビキニまで、その距離は約800キロ。東京から西に行けば山口県に、北に行けば北海道に届く距離です。

実際ビキニに行く場合、選べる手段は飛行機か船ですが、飛行機は自家用機をお持ちでない限り、国内線エアマーシャルの飛行機をチャーターするしかありません。これが1回150万円くらいかかります。しかも行きと帰りで2回はチャーターしなければならないので、一般の方々にとっては宝くじにでもあたらない限り、選択肢には入ってきません。

エアマーシャルのドルニエ。

次に船の場合ですが、800キロも移動するのでそんなに小さな船ではいけません。それなりの大きさ、設備が必要です。マジュロにはこれにぴったりの船、といいますかビキニなどの離島への旅行を引き受けてる会社があるのですが、この会社の船をチャーターする場合、1日40~50万円かかります。そして季節にもよりますが移動時間は片道2~3日はみておく必要があります。1週間チャーターすると飛行機と同じく約300万円、しかもビキニに滞在できるのは2日くらいとなると、これもやはり我々一般人にとってはなかなか手を出しづらい選択肢であります。

こんな船です。

ただ、フォローするわけではありませんが、この船はもちろん寝泊まりはできますし、料理人も同行してくれます。さらにダイビング器材も全て揃っているのでチャーター費用以上のお金はかかりません。
また客室は10人くらい泊まれますので多人数でシェアして頭数で割ることができれば考慮に入れてもいいかもしれませんね。

ビキニへ行くには他にもクリアしなければいけないことはあるのですが、交通手段だけでも簡単ではないことはわかっていただけるのではないでしょうか。
「できなくはないです」
という歯切れの悪い回答の裏には上のような事情があるのです。

とはいえ、もちろんMJCCではご用命があれば手配いたします。過去に数回実績もありますので、もしビキニで(できれば団体で)ダイビングしたい!もしくはビキニを撮影したい!などのご要望がありましたらお気軽にお問い合わせください。

SATO

マーシャル人の絵

 

この味わい深い絵はマーシャルのYouth To Youthの生徒たちが描いた絵です。

 

ちなみにYouth to Youthというのは日本人には馴染みのない名前ですが、青少年の社会教育を目的とする団体です。

 

彼らの描くマーシャルの絵は、とても素朴ですが、よく見るとマーシャル人の暮らしぶりをよく伝えていて、なかなか楽しいので紹介します。

 

マーシャル人が重そうに運んでいる魚はどれもマーシャルでよく見る魚です。
 
こちらの絵では、家の周りにココナッツ、ブレッドフルーツ、パンダナスと、マーシャルで重要な3つの植物が生えてます。
 
たぶんこん棒で葉っぱをなめしてるところ。
屋根の材料にします。
 
こっちでもココナッツの葉を加工してます。
 

こちらはパンダナスを食べてます。
仕事はしなくていいんでしょうか。
 

ラーンケ(ココナッツを割る棒)を使って、ココナッツの皮をむいているところ。
緑のかごに入ってるのはユ(ココナッツの中心に生えてくる芽)かもしれません。

 

というような感じで、今でもマーシャルでよく見ることができるローカルな生活が描かれていて、マーシャル経験者には「見たことある!」というネタが満載です。

 

郵便局やマーシャル・アイランド・リゾート・ホテルに展示されていますので、訪問の際は探してみてください。

 

SATO