マーシャルのコロナ最新情報(2021年7月10日)

マーシャル保健省7月7日発表のデータによると、現在マーシャルはコロナ感染者ゼロです。島の人々はマスクのいらない生活を続けています。

 

海外からの渡航制限は2020年3月より引き続き、継続中です。
外国人はまだマーシャルへ渡航できません。
マーシャル国籍者と外国の政府関係者は、マーシャル政府から事前の許可をもらった人のみ、ハワイの指定ホテルで2週間、その後マーシャルの隔離施設で2週間過ごした後、マジュロに入っています。

 

コロナワクチンの接種も今年1月より進めています。マジュロの18才以上のワクチン接種率は75%、離島も含めた国全体では接種率57%です。都市部のマジュロとクワジェリンではモデルナのワクチンが、離島部ではジョンソン&ジョンソンのワクチンが使用されています。

MJCCにも看護師が来て、従業員はワクチン接種しました。

 

続いて、ユナイテッド航空の運航情報をお知らせします。
昨年は月に1往復まで減便していた国際線ですが、6月から週2便に増えました!

☆ユナイテッド航空 運行スケジュール(7月~10月)☆

・フルアイランドホッパー便(チューク、ポンペイ、コスラエ、クワジェリン、マジュロ経由)
グアム発ホノルル行き:毎週月曜日
ホノルル発グアム行き:毎週火曜日

・ミニアイランドホッパー便(チューク、ポンペイ、マジュロ経由)
 グアム発ホノルル行き:毎週木曜日
 ホノルル発グアム行き:毎週金曜日

6月の空港。アメリカへ向けて出国する人は多い。

見送りに来た人で賑わっていた

 

mika

卒業式

マーシャルの卒業式シーズンは、毎年5月下旬頃。

昨年はコロナの影響で、国内の感染者はまだ出ていなかったにもかかわらず、政府から感染防止のためすべての学校は卒業式を行わないようにという発表が出されました。そのため昨年は卒業式ができず、かわいそうだった卒業生たちもいました。

今年は例年どおりに無事行われました!

マーシャルのコロナ感染者は現在ゼロで、予防接種も進んでいます。今年は何の制限もなく、各学校では卒業式に家族や親戚が大勢集まり、盛大に行われました。

 

高校の卒業式

 

式のあと、卒業生は集まった家族・友人・親戚からレイをかけてお祝いしてもらいます。

卒業生の前にはレイをかけるために列ができます。

今年はNTA(電話局)による卒業式のライブ配信も、盛んにおこなわれていました。卒業式に来られない人やアメリカ在住のマーシャル人も、FacebookやYouTubeの動画で、その様子を見ることができました。

こちらがYouTubeで公開されている、今年のマーシャル諸島短期大学の卒業式です。全部で4時間あります。時おり激しい雨が降る中、デラップパークで行われました。マーシャルの国の人口は約5万人なのに、この動画の再生回数が既に1万4千回を超えているのはすごいですね!親族の卒業式はみんなにとって、一大イベントなのです。

 

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!
Jeraaṃṃan ñan aolep graduates 2021!

 

mika

チャーターボートの休日

週末、ボートをチャーターして釣りとエネコ島へピクニックに行きました。


一日中ボートで釣りをしたい大人、釣りよりビーチで泳ぎたい子供たち、釣りもビーチも両方がいい大人、という参加者全員の要望をすべて叶えてくれるのがチャーターボート!今回もマーシャルのダイビングショップ、レイクルーさんにお世話になりました。

レイクルーさんのブログはこちら↓

離島ピクニック&ボトムフィッシング【チャーターボート】 (marshallislands.jp)

朝9時に集合し、マーシャルアイランズリゾート(MIR)からボートに乗り込んで出発!このときは曇り空であいにくのお天気でしたが「雨上がりのほうが、魚がよく釣れたりする」と聞いて、ワクワクする釣りメンバー。

出発から30分程で、エネコ島に到着。島でゆっくり遊びたいメンバーはここで下船し、ボートで釣りをするメンバーはそのまま残り、釣りのポイントへ連れていってもらいました。

途中、雨に降られたりもしましたが、ボチボチ魚も釣れました。釣り竿を持っている人は持参、持っていなければハンドリールというシンプルな仕掛けを貸してもらえます。

お昼になったので、釣り組も一旦島に戻り、みんなでランチです。各自で持参したお弁当を食べ、そのあとビーチでのんびり過ごします。

島でのお昼休憩のあと、再びボートに乗り、午後の部の釣りに出かけます。午後は島でまだシュノーケルをして遊びたい人は島に残りました。お天気も回復し、青空が見えてきました。さあ午後も釣るぞ!

釣り組はポイントに連れていってもらい、2時間ぐらい釣りをしました。

最後に「全員乗せて帰りに1ヶ所ポイントに寄って、みんなで釣りをしよう」ということになり、島にいるメンバーを迎えにいきました。こんなふうに臨機応変に対応してもらえるのも、チャーターボートのいいところです!

全員が船に乗ったところで、最後の釣りポイントに連れていってもらいました。夕方になり時間帯もよかったのでしょうか、ここでたくさんの魚が次々に釣れました。子供たちも魚が釣れて、楽しい思い出になりました。

釣れた魚は、中華レストランに持ち込みして料理してもらい、みんなでいただきました!

mika

マーシャル諸島デジタルアーカイブ ワークショップ

3月25日マーシャル諸島短期大学(CMI)にて、日本とマーシャルをZOOMでつないで、マーシャル諸島デジタルアーカイブ オンラインワークショップが開催されました。

このプロジェクトは、核問題研究者の中原聖乃さんによるもので、マーシャルにおける核実験の影響や気候変動の問題、マーシャルの伝統文化についての情報をWeb上の地図にアップロードするプロジェクトです。マーシャル政府、CMI、マーシャルのNPO団体と協力して、これから情報を掲載していきます。

マーシャル諸島デジタルアーカイブ ワークショップ会場

デジタルアーカイブは、日本人だけですべて作り上げてマーシャルへ贈るのではなく、マーシャルの若い世代が中心となって情報や人々の物語を集め、日本のデジタルアーカイブの技術を使い、次の世代へ残したい情報を保存します。デジタルアーカイブの制作に参加することで、参加者の若者が学ぶこともたくさんあり、その後は若者自らが語り部となっていくことができます。

また、マーシャルの人々が自分たちで作ったアーカイブなら、完成後も自分たちで毎年新しい情報を追加して更新することができます。完成後も持続可能な発展を目指しています。

データのアップロード
データのアップロード

コロナ禍による入国制限で日本からはマーシャルへ渡航できないため、MJCCに今回のワークショップのコーディネート業務のご依頼を受け、現地でお手伝いさせていただきました。

「ぜひマーシャル諸島デジタルアーカイブを作りたい!」という共通の熱い想いを持って、会場には37人が集まりました。ワークショップでは、マーシャルで集めた情報をデジタルアーカイブの試作品にアップロードし、今後どのような情報を集めたらよいか、どんなアーカイブにしたいかなどを話し合いました。

 

日本とマーシャルで知恵を出し合い、これから3年後の完成を目指してアーカイブを作っていきます。どんなアーカイブが出来上がるのか、今から楽しみですね!

mika

核被害者追悼日(Nuclear Victims Remembrance Day)

3月1日は核被害者追悼日(Nuclear Victims Remembrance Day)。マーシャルでは、1946年から1958年にかけて12年間で、アメリカによる核実験が67回行われました。マーシャルの人々に最も深刻な被害が出た水爆ブラボーは、67年前の3月1日、ビキニ環礁で爆発しました。近海で操業していた日本の漁船「第五福竜丸」もこのときに被ばく。日本でもビキニ事件として大きなニュースとなり、この事件をきっかけに原水爆禁止運動が日本全国に、世界にと広がっていきました。

核被害者追悼式典

マーシャルは核実験が行われた場所であり、最大の犠牲者がいるにもかかわらず、被ばくしたマーシャルの人々の被害はどうなのか、大丈夫なのかと被ばく者に寄り沿う声や関心は、当時世界からあまりありませんでした。日本のニュースでも「ビキニ」という場所以外にマーシャル諸島について語られることは、70年代にジャーナリストが現地に来て取材し伝えられるまで、残念ながらあまりありませんでした。

マーシャルがアメリカ信託統治時代であった影響もあると思いますし、インターネットなどない時代、太平洋の孤島から情報を世界に発信する手段は限られていました。当時、被ばくした島民(ビキニ・エヌエタック・ロンゲラップ・ウトリックの人々)は、孤独に核被害と闘ってきたという歴史があります。

式典でビキニ環礁の歌をうたう、ビキニ島民たち

今年の核被害者追悼日のテーマは「私たちは一人ではない」。時代は変わり、いまはマーシャル国内だけでなく世界中の人々やNGO団体・研究者が、平和と人権のためにマーシャルの核実験の問題を注視しています。今回のテーマに沿って、世界中の人々からマーシャルへメッセージビデオが寄せられ、式典で上映されました。日本からも投稿してくださった方々がいました。

日本からのビデオメッセージ

 

核実験のために島を追い出され、75年経っても、いまだに故郷へ戻れない島民。核廃棄物を封じ込めたドームがあるエニウェタック環礁では、地球温暖化による海面上昇やドームのひび割れからの、放射性物質の海への流出が懸念されています。

さらに核実験による放射性降下物が、被ばく4島以外にもマーシャル全土に影響を及ぼした可能性や、特に中間地帯に位置するリキエップ環礁やウォッチェ環礁などの人々の健康に被害をもたらしたと言われています。

“Nuclear Justice”、核被害に対する正当な解決、真実、そして故郷での平和な暮らしを求めて、マーシャルの人々の訴えはこれからも続きます。

 

mika